コラム column 

好きな服を大事に

持ち込み染め注文をやっていると、お客さまの顔は見ることはできないけれど、洋服を大事に着てるんだな、と思うようなものに、たくさん出会う。

高価なものから、ごくごくありふれたものまで、色々なものがある中で、価値そのものは、値段で決まるものではないし、その人が本当に気に入って、毎シーズン着たい、使いたいと思えてこそ価値があるのではないかと最近は思う。

染める前に、必ず素材と、染めることによって破れてしまったり、ボタンが壊れてしまうような事がないか毎回チェックするようにしていて、その時にふと気づくことがあるんです。
そういうものの特徴として、その人の癖が服にはついているんですよ。新品には無い歪みだったり、すれた場所だったり、さらに言うと、他の人が気付かないようなところにネーム刺繍がしてあったりするんです。
いつくも同じものが存在しているモデルだとしても、刺繍を入れることでその人だけの特別なものになっていたり。

そういったものに色を染めるというのは、一人一人の歴史に、違う色を上書きさせてもらっているような気がして、とても緊張するけど、今までの歴史はそのままで、色を重ねることで、また新鮮な気分で着てもらえるのだから、すごく光栄な仕事をさせてもらっている。
新しい洋服や物が、ものすごい速さで作られて、買われて、でも、ワンシーズンで着れなくなったり着なくなってしまうものが多い気がするのだけど、本当にその洋服や鞄が、完成するのは、着てもらったり使ってもらって、その人に馴染んで、そこで初めて完成するです。

持ち込み染めの仕事をしていると、本当にそう思ったし、そういうものを染めていきたいと思います。

お客様からのお手紙と無料色重ね

以前、リネンストールをご購入いただいたお客様から、お手紙をいただきました。
内容を少しご紹介させていただきます。

大森様
先日はリネンストールをありがとうございました。
純色も、黄海松茶もどちらも素敵な色で一目で気に入りました。
私は肌が弱いのですが、最初、手にした時から肌触りも良く、柔らかくて嬉しかったです。
毎回、どんな色に仕上がってくるのかがとても楽しみで、染め色の名前もいいですね。
また、お願いすることあると思います。
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。

初めた当初から、ご購入いただいたお客様には一言お礼のお手紙を書いているのですが、まさか、お返事をいただけるとは思ってもいなかったので、とても嬉しく、大きな力をいただきました。

そして、始めた当初から行っている無料色重ねのサービス。
これは、この仕事を始めるきっかけになった、京都の『手染メ屋』の青木さんとの出会いでした。
会社勤めをしている時に、趣味の一環としてやっていた草木染めをもっと深く知りたいと思い、ネットで調べていたところ、『手染メ屋』さんを発見し、京都に行ってみたかったし、染めの勉強もできるし、これは行かなければと連休を利用して、京都へ出かけました。
目的の京都へ到着し、はやる気持ちを抑えながら『手染メ屋』さんの染め体験をしに行きました。
体験をする間、色々とお話を伺い、工房を見させていただき、その中で、衝撃を受けたのが、『無料重ね染め』。
まず思ったのは、これはいったい何?ありなの?良いの?という疑問。その後に、思い出すのは、青木さんのお話と染め仕事への情熱。

今の資本主義の流れの中では、間違いなく異質なサービスであるのは間違いない。しかし、現代の染めものは、色落ちがしないのが当たり前。その中で、草木を使った染めは、現在の化学染料に比べれば退色しやすいのが現実。
それでも、天然の素晴らしい色を楽しんでもらいたい。身の回りに置いてもらいたい。そんな思いを感じました。
そして、 仕事への責任、作った者の責任がこれなのかもしれない。

それが、のめり込むきっかけの1つでもありました。
のめり込むうちに、自分でも仕事としてやってみたい。という思いが、2009年に古今の立ち上げにつながりました。

Tシャツサイズについて

古今の杢ジ調Tシャツはlady/S lady/M(men/S) men/M men/Lの全4サイズ展開しております。若干タイトめの仕様になっておりますので、お持ちのTシャツと下記のサイズ表とを比べていただけたらわかりやすいかと思います。
尚、lady/Mと言いましても、男性の方にはmen/Sとして着用できますので、タイトに着用したい方にはおすすめです。

Lady/S Lady/M Men/M Men/L
袖丈 17cm 19cm 21cm 23cm
胸囲 80cm 86cm 96cm 110cm
着丈 56.5cm 62.5cm 68.5cm 75.5cm
メディア紹介
(株)アスカコーポレーション
会員誌5月号掲載
2010・5月
ぐるっと千葉
2012.1月号掲載
2011・12月